おもてなし力向上委員会

日本のおもてなしの魅力を追求し発信するブログ

雨の日の散歩道。久しぶりにカメラを持って歩いてみました

皆さまこんにちは♪

9月に入りましたが、まだまだ暑い日が続いていますね。

 

この日は、しとしとと雨の降る一日。

久しぶりにカメラを持って、いつもの散歩道を歩いてみました。

 

出かける前、庭のニチニチソウを見ると、赤い花びらに細かな雨粒がたくさん。

 

 

まずは庭で一枚撮ってから、いつもの散歩道へ。

田んぼの間を通る道も、いつもの草木も、雨に濡れると少しだけ表情が変わります。

葉先に並ぶ水滴、道沿いに咲く花、収穫を迎えた田んぼ、水たまりに映る景色。

今回は、そんな雨の日の散歩道で撮った写真をまとめてみました。

 

雨の日は、ついつい水滴を撮ってしまいます

歩き始めて早々、気になったのは植物についた水滴でした。

 

 

 

細い葉や茎に、小さな雫がずらり。

大きさも並び方も少しずつ違うのですが、不思議ときれいに見えます。

こういうものを見つけるたびに立ち止まっているので、いつものウォーキングより明らかに進みが遅いです(笑)

 

道沿いには、雨に濡れたムクゲ

 

少し歩いたところでは、白いムクゲが咲いていました。

真っ白な花びらには細かな水滴が残り、中心の赤紫色がよく目立っています。

雨の中でも大きく開いた白い花は、緑の中でひときわ鮮やかでした。

 

田んぼは、もう収穫の季節

少し歩くと、いつもの田園風景が広がります。

 

 

このあたりでは、稲刈りが始まっていますが、

まだ稲穂が残っている田んぼでは、穂がしっとりと垂れていました。

 

 

 

近くから見ると、一粒一粒がぎっしり。

そして少し先には、

 

 

すでに刈り取りを終えた田んぼもありました。

 

雨に濡れた、いつもの道

 

田んぼの間をまっすぐ伸びる道。

雨で濡れて、普段より少し濃い色になっています。

人も車も少なく、いつもの散歩道も今日はかなり静かです。

 

 

ところどころには水たまり。

写真を撮りながら歩いていますが、足元もちゃんと見ておかないといけません。

カメラを持ったまま派手に滑る、という作品だけは撮りたくないところです(笑)

 

田んぼの脇にも、撮るものはいろいろ

 

田んぼの脇には、夏の間に伸びた草がいっぱい。

 

 

エノコログサもあちらこちらに。

普段なら「草」でまとめて通り過ぎてしまいそうですが、カメラを持っていると急に一つ一つが気になってきます。

 

 

 

道端にはセンニンソウが咲いていました。

濃い緑の中に、小さな白い花が一面に広がっています。
派手な花ではありませんが、これだけまとまって咲いていると、なかなか目を引きます。

 

上を見ても、足元を見ても

しばらく歩いていると、植物以外の水滴まで気になり始めました。

 

 

柵の下に並ぶ、大きな雫。

背景をぼかして撮ると、水滴だけがぽつぽつと浮かび上がります。

ここまでくると、もう水滴なら何でも撮ります(笑)

そして足元には――。

 

 

水面に映る木々や空。

普段なら避けて歩くだけの水たまりですが、この日はちゃんと撮影対象です。

 

雨の日の田園風景

 

遠くまで広がる田畑と、厚い雲。

青空ではありませんが、この日の景色にはこの空模様がよく合っていました。

 

久しぶりのカメラ散歩

今回撮っていたものを並べてみると、

田んぼ、草、花、水滴、水たまり、道。

なかなか地味です(笑)

でも、こういう写真を撮りながら歩くのも久しぶりで、思っていた以上に楽しめました。

9月に入りましたが、まだまだ暑い日が続きそうですね。

それでは、今回はこのあたりで♪

 

***************************************

このブログは京都で暖簾や座布団を製造販売する会社のスタッフによるブログです。

[京の座布団やさん 工夫庵 ___和の座布団の暖かさを京都からネット販売でお届けします___

一宮株式会社 〒615-8174 京都市西京区樫原中垣内7-1

TEL075-394-7011* FAX075-394-7022

 

 

the-kyoto.hatenablog.com

the-kyoto.hatenablog.com

the-kyoto.hatenablog.com

the-kyoto.hatenablog.com

 

 

 

夏の終わりに咲いていた花たち。

皆さまこんにちは♪

いかがお過ごしでしょうか(^^)/

 

9月に入りました。

暦の上では少しずつ秋へ向かう季節ですが、まだまだ暑さの残る日が続いていますね。

今回は、8月中旬から後半にかけて庭で撮影した花たちをまとめてみました♪

写真を見返してみると、8月後半の庭は思っていた以上に色鮮やか。

赤、ピンク、紫、黄色、白。

真夏からずっと咲いている花もあれば、この時期になってより存在感を増してきた花もありました。

以前の記事でもご紹介したニチニチソウやカリブラコア、ゴーヤなども登場しますが、季節が少し進むだけで、花の咲き方や庭全体の雰囲気も少しずつ変わっていきます。

そんな夏の終わりの庭の様子を、写真と一緒に振り返ってみたいと思います。

 

鮮やかな赤が目を引く、ケイトウ

 

まずは、庭の中でもひときわ目を引いていたケイトウ。

鮮やかな赤色と、上へ向かって伸びる独特の姿が印象的です。

近くで見ると、小さな花がぎゅっと集まっていて、少し離れて眺めたときとはまた違った表情があります。

 

夏の庭の定番、ニチニチソウはまだまだ元気

 

この夏、何度も庭を彩ってくれたニチニチソウ。

8月後半になっても、鮮やかなピンク色の花を元気に咲かせていました。

シンプルな花の形ですが、濃い緑の葉との組み合わせがとてもきれいです。

そして今回は、色の違うニチニチソウもいくつか撮影できました。

 

 

白い花びらの中心から鮮やかなピンクが広がる一輪。

その上にはたくさんの水滴が残っていました。

 

 

こちらは白を基調としたニチニチソウ。

花びらいっぱいに乗った水滴が光を受け、晴れた日に見る姿とは少し違った、瑞々しい雰囲気です。

 

 

濃いピンクの花びらにも、大きな水滴がころころと残っていました。

同じニチニチソウでも、色が違うだけでかなり印象が変わります。

さらに、雨の後だったり、光の当たり方が変わったりすると、同じ庭の花とは思えないほど違った表情を見せてくれることがあります。

長い期間咲いてくれている花だからこそ、そんな小さな変化を楽しめるのも魅力ですね。

 

紫とピンクが重なるバーベナ

 

続いてはバーベナ。

中心に集まるように咲く紫色の小さな花が、とても華やかです。

大きな一輪が主役になる花もきれいですが、小さな花が集まって一つの形を作っている姿にも違った面白さがあります。

夏の庭の濃い緑の中で見る紫色には、どこか涼しげな印象もありました。

 

丸い姿がかわいらしいセンニチコウ

 

こちらはセンニチコウ。

鮮やかな赤色ですが、先ほどのケイトウとはまったく違い、ころんと丸い姿が特徴的です。

少し近づいて撮影してみると、赤い部分の中から小さな花が顔を出していることにも気づきます。

普段庭を歩きながら眺めているだけでは見過ごしてしまうような部分まで見えてくるのは、花を近くから撮影する楽しさの一つ。

背景にも赤い花がぼんやりと写り込み、鮮やかな写真になりました。

 

ゴーヤも、まだ黄色い花を咲かせています

 

こちらも、このブログでは何度か登場しているゴーヤです。

以前は黄色い花をご紹介し、その後には大きく育った実も撮影しました。

8月後半になっても、緑の葉の間にはまだ黄色い花が咲いていました。

大きな葉に囲まれた中に、ぽつんと咲く黄色。

ゴーヤというとどうしても実の方に目が行きますが、花だけを見ると、とても素朴でかわいらしい姿をしています。

花が咲き、実が育ち、その横ではまた新しい花が咲く。

一つの季節の中でも、庭ではそんな変化が繰り返されています。

 

淡い紫色のペチュニア

 

こちらは淡い紫色のペチュニア。

花の中心は白に近く、外側へ向かうにつれて柔らかな紫色へ変わっています。

今回の写真の中には赤や濃いピンクの花が多かったので、こうした淡い色の花を見ると、少しだけ雰囲気が変わります。

夏の終わりの光の中で見る淡い紫色は、どこか優しく、少し秋を先取りしたようにも感じられました。

 

黄色と白のカリブラコアも、まだ元気

 

黄色と白のカリブラコアも、この夏ずっと庭を明るく彩ってくれています。

以前の記事にも登場しましたが、8月後半になってもきれいに咲いていました。

黄色を中心に白が入った明るい色合いは、やはり夏の庭によく似合います。

同じ場所で長く咲いてくれている花を見ると、「今年もよく頑張ってくれているな」と、少しうれしくなります。

 

そして今回はこちらも。

 

 

鮮やかなピンクに白い縁取りが入ったカリブラコアです。

花びらが幾重にも重なり、一重咲きのカリブラコアとはまた違った華やかさがあります。

黄色と白の花と並べてみると、同じ仲間でもこれほど雰囲気が変わるのかと驚かされます。

 

9月へ。庭の景色も少しずつ変わっていきます

こうして8月中旬から後半に撮影した写真を並べてみると、夏の終わりとは思えないほど庭にはたくさんの色が残っていました。

 

ケイトウやセンニチコウの鮮やかな赤。

ニチニチソウのピンクや白。

バーベナやペチュニアの紫。

そして、ゴーヤやカリブラコアの黄色。

 

春とはまた違った、力強く鮮やかな色が多いのも夏の庭ならではかもしれません。

 

9月に入りましたが、すぐに景色が秋へ切り替わるわけではありません。

夏の花がまだ元気に咲いている一方で、少しずつ次の季節の気配も近づいてきます。

毎日見ている庭では気づきにくい変化も、こうして写真に残しておくと、その時々の季節の色がよく分かります。

夏の終わりに咲いていた花たち。

もう少しの間、この鮮やかな景色を楽しみながら、これから秋へ向かって庭がどのように変わっていくのかも見ていきたいと思います♪

 

***************************************

このブログは京都で暖簾や座布団を製造販売する会社のスタッフによるブログです。

[京の座布団やさん 工夫庵 ___和の座布団の暖かさを京都からネット販売でお届けします___

一宮株式会社 〒615-8174 京都市西京区樫原中垣内7-1

TEL075-394-7011* FAX075-394-7022

 

 

 

the-kyoto.hatenablog.com

the-kyoto.hatenablog.com

the-kyoto.hatenablog.com

 

マリメッコは、なぜ時代を超えて愛されるのか。京都で「マリメッコ展 模様のちから」を体感してきました

鮮やかな色。

大胆な形。

一目見ただけで、どこか心が明るくなる模様。

京都文化博物館で開催されている「マリメッコ展 模様のちから Marimekko: Art of Printmaking –Beauty, Dream, Love」へ行ってきました。

www.bunpaku.or.jp

マリメッコと聞いて、多くの人が最初に思い浮かべるのは、大きな花を描いた《ウニッコ》ではないでしょうか。

私自身も、これまでは「鮮やかな花柄で知られる北欧ブランド」という印象を強く持っていました。

ところが、今回の展覧会を見終えたあと、その印象は少し変わりました。

会場に並んでいたのは、完成した服や美しいファブリックだけではありません。

一つの模様が生まれるまでのスケッチや切り絵、原画、プリントの工程。そして、模様を暮らしの中へ届けようとしてきたデザイナーたちの考え方。

それらを順番に見ていくうちに、マリメッコが長く愛されてきた理由が、少しだけ見えてきたような気がしました。

 


京都文化博物館へ

今回訪れたのは、京都市中京区の三条高倉にある京都文化博物館です。

建物の前に立つと、まず目を引くのが赤レンガと白い石材を組み合わせた重厚な別館。

歴史を感じさせる建築のそばに、マリメッコらしい鮮やかな色彩の展覧会ポスターが置かれていました。

端正な近代建築と、大胆で自由な北欧デザイン。

一見すると対照的な組み合わせですが、不思議とよく似合っています。

なお、今回の展覧会が開催されているのは、京都文化博物館の本館3階・4階展示室です。会期は2026年7月4日から9月6日までとなっています。

 


大きな布になると、模様は「空間」に変わる

会場で最初に強く感じたのは、ファブリックの大きさです。

普段、マリメッコの模様を目にするのは、バッグや洋服、食器、クッションなどが多いと思います。

ところが、巨大な布として目の前に現れると、同じ模様でも印象がまったく違います。

鮮やかな黄色や赤、ピンク、青。

大きな花と植物のような形が、布の上で繰り返されていきます。

近くで見ると一つ一つの形に目が向きますが、少し離れると、それらが大きなリズムになって見えてきました。

模様が平面に描かれているというより、周囲の空間まで包み込んでいるようです。

小さな製品では「かわいい」と感じていたデザインが、大きなファブリックになると、力強い一枚の作品へと変わります。

今回の展覧会名にある「模様のちから」という言葉を、最初に実感した瞬間でした。

 


《ウニッコ》は、花をそのまま描いた模様ではなかった

マリメッコを代表する模様といえば、やはり《ウニッコ》です。

フィンランド語で「ケシの花」を意味するこのデザインは、マイヤ・イソラによって1964年に生み出されました。

会場の解説で印象に残ったのは、花を写実的に描くのではなく、抽象化することで、自然のエネルギーやスケールを表現しているという考え方でした。

確かに、よく見ると《ウニッコ》は、実際の花を忠実に再現した絵ではありません。

花びらの形も、中心部分も、大胆に簡略化されています。

それでも、ひと目で花だと分かり、同時に生命力のようなものも感じられます。

形を細かく描き込むのではなく、必要な要素を選び、色と輪郭によって強く印象づける。

その単純さが、弱さではなく、むしろ強さになっていました。

誕生から60年以上が経過した現在でも古びて見えないのは、特定の時代の流行を描いたものではなく、花の本質や自然の勢いを、自由な形へ置き換えているからなのかもしれません。

 


約70点のドレスは、模様を身につけるためのキャンバス

会場には、1960年代から近年までのコレクションから選ばれた、約70点のドレスが展示されています。

創業者アルミ・ラティアが掲げたのは、「ドレスをキャンバスに」という考え方でした。展覧会では、その思想を、さまざまな年代のシルエットとプリントの組み合わせからたどることができます。

 

 

実際にドレスを見ていると、服の形だけが主役なのではないことが分かります。

大きな模様を大胆に見せるため、シルエットは比較的すっきりとしているものも多く、身体の上に一枚の布を広げるような印象があります。

縞模様のロングドレス。

格子柄のワンピース。

深い緑色のドレス。

色の幅が切り替わる半袖のワンピース。

並べて見ると、年代も柄も異なりますが、共通しているのは、着る人の身体を使って模様を動かしていることです。

ハンガーに掛けられた静かな状態でも、歩いたときに布が揺れ、模様が変化する様子を想像できます。

服というよりも、身につけて動かすためのグラフィック作品。

「ドレスをキャンバスに」という言葉が、展示を前にすると、とても分かりやすく感じられました。

 


完成品よりも、その手前が面白い

今回、特に興味深かったのが、完成したファブリックになる前の資料です。

 

自然の風景から着想を得たスケッチ。

紙を切って形をつくった切り絵。

プリントのために制作された原画。

そして、実際の制作に使用されたスクリーン。

公式案内でも、本展では、一枚の紙に描かれたドローイングがファブリックへと変化していく創作の過程が紹介されています。

完成品だけを見ると、大胆な模様が最初から迷いなく生まれてきたように感じます。

しかし、その前段階をたどると、一本の線や一つの形が、手を動かしながら考え抜かれたものであることが伝わってきます。

特に、プリント用スクリーンは印象的でした。

細い線、円、花びら、縞模様。

完成した布では色鮮やかに見える図柄が、スクリーンでは白と黒に近い世界へ変わっています。

色を取り除いた状態で見ると、模様を支えている線や形の構造が、よりはっきりと見えてきます。

華やかな印象の裏側に、非常に緻密で地道な作業がある。

その対比が、ものづくりに関わる者として、とても面白く感じられました。

 


3,500種類を超えるプリントが生まれた理由

マリメッコは、1951年にフィンランドで創業したデザインハウスです。

これまでに生み出された独自のプリントデザインは、3,500種類を超えるとされています。過去の図案も、そのまま保存されるだけではなく、色や素材、製品との組み合わせを変えながら、繰り返し再構成されてきました。

会場には、異なる年代や作家による模様が、壁いっぱいに並べられた展示もありました。

大きな花。

小さな花。

幾何学模様。

文字。

線。

似ているように見えても、一つ一つのリズムや余白は異なります。

マリメッコといえば《ウニッコ》の印象が強いですが、その世界は花柄だけではありません。

モノクロームの細かなパターンもあれば、柔らかなパステルカラーもあり、直線的で幾何学的なものもあります。

 

一つの様式に統一するのではなく、それぞれのデザイナーの感性を尊重しながら、異なる模様を受け入れてきたこと。

それが、3,500種類を超えるプリントにつながっているのでしょう。

 


人の手が残す「完全なる不完全さ」

公式解説には、マリメッコのデザインを表す言葉として、「完全なる不完全さ」という表現が登場します。

斬新な模様の背景には、人の手によるぬくもりや、フィンランドの自然、機能主義、文化が反映されていると説明されています。

確かに、マリメッコの模様は、大胆で整っていながら、機械的に整いすぎてはいません。

花びらの輪郭が少し揺れている。

線の太さが均一ではない。

同じ形の繰り返しに見えても、どこか人の呼吸が残っている。

そのわずかな不均一さが、模様を冷たい記号ではなく、親しみのある存在にしています。

現在はデジタルツールを使えば、左右対称で、均一で、きれいな模様を簡単につくることができます。

けれども、正確であることと、魅力的であることは同じではありません。

少し揺れた線や、手作業の痕跡があるからこそ、見る人の記憶に残る。

展示を見ながら、そんなことを考えました。

 


プリントが生まれる場所を、映像で体感する

展覧会の後半には、ヘルシンキにあるマリメッコ自社の「プリント・ファクトリー」を題材にした展示があります。

この空間を手がけたのは、アートユニットのplaplaxです。

長いテーブルと壁面に映像が投影され、布の上へ模様がプリントされていく工程が、空間全体を使って表現されていました。

机の上を花柄が流れていき、壁一面へと広がっていく。

やがて柄が消え、次の模様が現れる。

実際の工場をそのまま再現した展示ではなく、職人の手仕事が持つダイナミズムと映像表現を組み合わせ、プリントが生まれる瞬間を体感させる作品です。

一枚の布が完成するまでには、図案を描くだけでなく、色を選び、版をつくり、布へ刷り、仕上がりを確認する工程があります。

ショップで完成品だけを見ていると意識しない、その手前にある時間。

それを映像と空間によって見せてくれる、印象的な展示でした。

 


皆川明さんが再解釈したマリメッコ

もう一つの見どころが、デザイナー・皆川明さんによる新作インスタレーションです。

皆川さんは、マリメッコとの対話を重ねながら、独自の視点でブランドを再解釈しています。

会場には、さまざまな模様をまとった大きな布が、折れたり、垂れ下がったり、ねじれたりしながら空間に配置されていました。

布は通常、平らに広げて見るものです。

しかし、この展示では、布が壁から離れ、立体となり、影をつくっています。

見る位置によって、表に現れる模様も、重なり方も変化します。

ファブリックは、服やカーテンになる前から、それ自体が空間を変える素材なのだと気づかされます。

公式には、この作品は、マリメッコが大切にしてきた「クリエイティブな共同体」の精神を体現し、国境を超えた創造の対話を表す試みと位置づけられています。

過去のデザインを紹介するだけで終わらず、その精神を現在のデザイナーが受け取り、別の作品へとつなげていく。

この展覧会が、単なる回顧展ではないと感じさせる展示でした。

 


マリメッコは、模様を売っているだけではなかった

会場を見終えたあと、マリメッコに対する印象は、最初よりも少し広がっていました。

それまでは、鮮やかな花柄や北欧らしい色づかいで知られるブランドという認識でした。

しかし今回見えてきたのは、模様を通して、暮らしのあり方まで提案しようとしてきたデザインハウスの姿です。

マリメッコの模様は、美術館の壁だけに飾られるものではありません。

服になり、バッグになり、食器になり、カーテンになり、日常の風景へ入っていきます。

美しいものを、特別な場所に閉じ込めない。

毎日使うものの中に色や形を持ち込み、生活そのものを少し明るくする。

創業者アルミ・ラティアが14歳のころに記したという、

「責任はただ一つ――美である。
現実はただ一つ――夢である。
ただ一つの力――愛。」

という言葉は、本展の英語副題である「Beauty, Dream, Love」にもつながっています。

少し大きく聞こえる言葉ですが、実際のマリメッコの製品は、もっと身近な形でそれを伝えてきたように思います。

朝、好きな柄のカップを使う。

鮮やかな服を着て外へ出る。

部屋に一枚の布を飾る。

それだけで、何でもない一日の見え方が少し変わることがあります。

マリメッコがつくってきたのは、単なる模様ではなく、日常の気分を変えるための小さなきっかけだったのかもしれません。

 


おわりに

「マリメッコ展 模様のちから」は、マリメッコが好きな方はもちろん、デザインやイラスト、ファッション、テキスタイルに興味がある方にも楽しめる展覧会です。

完成した作品の華やかさだけではなく、その前にあるスケッチや切り絵、原画、プリントの工程まで見ることができます。

そして、何十年も前に生まれた模様が、なぜ現在も新しく見えるのか。

その理由を、色や形、服、布、映像、空間を通して考えられる展示でもありました。

私自身も、会場を出たあと、自分が普段つくっている模様やデザインについて、あらためて考えました。

きれいに整えるだけで、本当に魅力的になるのか。

線の揺れや不均一さを、消しすぎてはいないか。

そして、一つの模様によって、見る人の気持ちや、その場所の空気を変えることができるのか。

京都で出会った色と形は、展覧会を見終えたあとも、しばらく頭の中に残っていました。

一枚の布が、服になり、空間になり、誰かの暮らしの一部になる。

マリメッコが70年以上にわたって生み出してきた「模様のちから」を、じっくりと体感できる展覧会でした。

 


展覧会情報

www.bunpaku.or.jp

marimekko-ex2026-2028.jp

 

マリメッコ展 模様のちから
Marimekko: Art of Printmaking –Beauty, Dream, Love

会期:2026年7月4日(土)~9月6日(日)
会場:京都文化博物館 4階・3階展示室
開室時間:10時~18時
金曜日:19時30分まで
最終入場:閉室の30分前まで
休館日:月曜日。祝日の場合は開館し、翌平日が休館です。

※開催情報は変更される場合があります。来館前に公式サイトをご確認ください。

 

 

***************************************

このブログは京都で暖簾や座布団を製造販売する会社のスタッフによるブログです。

[京の座布団やさん 工夫庵 ___和の座布団の暖かさを京都からネット販売でお届けします___

一宮株式会社 〒615-8174 京都市西京区樫原中垣内7-1

TEL075-394-7011* FAX075-394-7022

 

 

the-kyoto.hatenablog.com

the-kyoto.hatenablog.com

the-kyoto.hatenablog.com

the-kyoto.hatenablog.com

the-kyoto.hatenablog.com